MTG News

2024/09
研究発表リリース
神経筋電気刺激による大腿部及び臀部への刺激が自律神経活動に及ぼす影響を研究
研究成果が『The Journal of Sports Medicine and Physical Fitness』に掲載
株式会社MTG(本社:愛知県名古屋市、代表取締役社長:松下剛)は、中京大学 竹田良祐特任助教を筆頭著者とした渡邊航平教授らのグループと神経筋電気刺激を用いて心臓の自律神経活動に及ぼす影響を明らかにすることを目的とした研究を実施しました。

運動中の心臓の自律神経活動の異常は死亡率の上昇と関連しているにもかかわらず、神経筋電気刺激による体力改善を裏付けるようなエビデンスとは対照的に、神経筋電気刺激中の自律神経活動に関する報告は不足しています。

本研究では、神経筋電気刺激が心臓の自律神経活動に及ぼす影響を明らかにすることを目的としました。その結果、健康な若年者の大腿部および臀部に対する神経筋電気刺激は血圧の上昇を伴わずに自律神経活動を変化させ、特に副交感神経活動に影響を及ぼすことが明らかになりました。
神経筋電気刺激を高齢者のトレーニングやリハビリテーションのより安全な手法として貢献させていくために引き続き研究を進めていきます。
■目的
神経筋電気刺激が心臓の自律活動に及ぼす影響を明らかにすること
■方法
若年男性18名(平均年齢22歳)を対象に試験が行われました。参加者は、代謝反応が安定するまで約5分間、神経筋電気刺激を適用せず仰向けで安静にしました。次に6分間の休息(ベースライン)の後、仰向けで6分間、随意収縮を行わずに神経筋電気刺激を適用した後、6分間のリカバリーを行いました。
実験手順全体を通して、呼気ガスに基づく代謝反応と心拍を記録し、ベースラインと神経筋電気刺激の終了時に血圧と血中乳酸濃度を測定しました。
神経筋電気刺激は4Hzでスパッツ型電極を用いて大腿部および臀部に適用しました。
心拍数=〇
酸素消費量=□
NMES=神経筋電気刺激
HRV=心拍変動

Figure 1.--Schematic overview of the experimental protocol and electrodes for NMES.
One representing data of heart rate (circle) and oxygen consumption (squire) during whole procedure were presented.
NMES: neuromuscular electrical stimulation; HRV: heart rate variability

■結果
本研究での主な知見は下記が得られました。
①大腿部と臀部の筋肉を刺激する神経筋電気刺激は代謝反応と心拍が増加しても血圧を著しく上昇させなかったこと
②総自律神経活動と副交感神経活動が神経筋電気刺激によって大幅に減少したこと
③交感神経と副交感神経の比率は神経筋電気刺激の影響を受けなかったこと
【結果の一例】
■結論
臀部および大腿部に対する神経筋電気刺激は、血圧の上昇をともなわずに自律神経活動を変化させ、特に副交感神経に影響を及ぼすことが明らかになりました。
論文の内容はこちら
https://www.minervamedica.it/en/journals/sports-med-physical-fitness/article.php?cod=R40Y2024N01A0078
■タイトル
Impact of subtetanic neuromuscular electrical stimulation on cardiac autonomic nervous system in young individuals
■著者
Ryosuke Takeda, Hiroya Nojima, Tetsuya Hirono, Masamichi Okudaira, Taichi Nishikawa, Kohei Watanabe
■掲載雑誌
The Journal of Sports Medicine and Physical Fitness 2024 January;64(1):78-87


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