- 2021/11
- 研究発表リリース
SIXPAD Foot Fit共同研究者の阿久根 英昭名誉教授が、日本経済新聞社主催
「超高齢社会の課題を解決する国際会議
第3回Nikkei Super Active Ageing Society Conference」で
「高齢者の転倒予防のための足下からの健康づくり」を発表
株式会社MTG(本社:愛知県名古屋市、代表取締役社長:松下剛)は、EMSを中心としたトレーニング・ブランド 『SIXPAD(シックスパッド)』より、SIXPAD Foot Fitシリーズの共同研究者である桜美林大学 阿久根英昭名誉教授が11月15日(月)日本経済新聞社が主催する「超高齢社会の課題を解決する国際会議 第3回Nikkei Super Active Ageing Society Conference」において、 「高齢者の転倒予防のための足下からの健康づくり」について講演したことをご報告いたします。
「超高齢社会の課題を解決する国際会議
第3回Nikkei Super Active Ageing Society Conference」で
「高齢者の転倒予防のための足下からの健康づくり」を発表
■「超高齢社会の課題を解決する国際会議 第3回Nikkei Super Active Ageing Society Conference」とは
急速に進む"超高齢化"という世界共通の課題に対し、産官学のエキスパートが専門的な知見をもとに議論を交わし、よりアクティブでグローバルな高齢化社会の実現に向けて発信する、日本経済新聞社主催のグローバルカンファレンスです。桜美林大学 阿久根英昭名誉教授は、40年以上足と健康状態の関係について研究し、本会議では、「高齢者の転倒予防のための足下からの健康づくり」について、研究結果を発表いたしました。
■ 足裏の異変が現代人の足力の低下に
※提供元:桜美林大学 阿久根 英昭名誉教授
足裏は、身体のわずか2%の面積で全体重を支えています。足裏には8つの筋肉と、2つの腱があり、第二の心臓といわれるふくらはぎや、太ももの筋肉とつながているため、立ったり歩いたりする動作をサポートします。また、全身と連携する筋肉が足裏に集中し、身体全体の健康と密接に関わっているため、まさに身体の土台のような存在です。その土台である足裏の筋肉からしっかり鍛えることが、身体の健康づくりの第一歩となります。
足裏と足指の筋肉が十分に機能しているときの足裏の重心バランスは、かかと50%、親指30%、小指20%のバランスで、3点を結ぶアーチ状のくぼみができていることが理想です。
しかし、現代人の約7割は、運動不足により足裏のバランスが崩れ、立った時に、足の指が地面に着かない「浮き指」になっています。
地面に着かない指が1本でもある状態を「浮指」といい、本来の理想的なバランスで体重を支えることができなくなるため、転倒しやすくなります。足裏の重心バランスが崩れた状態で、身体のバランスを保とうとすると、膝や腰に負担がかかり、膝痛や腰痛の原因にもなります。
そのため、足裏の筋肉から鍛えることが健康的な身体づくりの第一歩となります。
■ 足腰の衰弱は要支援、要介護の原因
高齢社会が加速するなかで近年深刻な課題となっているのが、介護問題です。日本は世界に類を見ない超高齢社会ですが、平均寿命と健康寿命との差が一向に縮まることなく、多くの方が寿命を全うするまで介護を受けて過ごします。高齢者が要介護となる要因の1位は脳卒中、2位は認知症ですが、骨折や転倒など、下半身の筋肉の衰えによって要介護になる割合を足すと、1位の脳卒中を上回ることがわかっています。従って、下半身の筋肉を鍛えることが介護予防の一方になると考えられます。また、30歳を超えると、1年で1%ずつ筋肉が減少していくため、意識的に筋肉を動かし鍛えていく必要があります。
参考:厚労省「国民生活調査(平成25年度)」
■ 骨格筋電気刺激装置を使用した足力向上への取り組み
EMSは「Electrical Muscle Stimulation(筋電気刺激)」の略で、電気刺激によって筋肉に直接信号を送り、筋肉を動かすテクノロジーです。EMSは、身体を動かさずに使用できるため、転倒が不安な高齢者や、怪我をして寝たきりの方も、手軽にEMSで筋肉をトレーニングすることができます。足裏のエキスパートである、阿久根 英昭名誉教授は、「骨格筋電気刺激装置」を使用することによる足力向上と転倒予防の有効性について検証したところ、足趾開機能、足趾力、足関節可動域において、足力を高め、骨格筋電気刺激装置の活用が転倒予防に有効であることを実証しました。
■ 骨格筋電気刺激装置の使用が認知症予防となる新たな可能性
さらに、骨格筋電気刺激装置の新たな可能性として、近年、認知症予防の期待として注目されている、脳由来神経栄養因子(BDNF)についても言及しました。BDNFは、脳由来神経栄養因子と呼ばれるたんぱく質の一種で、神経細胞の発生、成長、維持、再生を促し、神経細胞の働きを活性化させることが期待されています。特に記憶、学習などの認知機能を促進させると考えられています。
本会議では、大腿四頭筋に骨格筋電気刺激装置を8週間継続使用した結果、BDNFの増加が確認できた論文発表※にも触れ、骨格筋電気刺激装置の認知症予防としての新たな可能性を報告しました。
※Gerontology & Geriatric Medicine Volume 7: 1-5,2021
BDNFは、記憶・学習などの認知機能を促進させる
(Gerontology & Geriatric Medicine Volume 7: 1-5,2021を改変)
桜美林大学名誉教授 阿久根 英昭
1950年、鹿児島県枕崎市生まれ。1973年日本体育大学体育学部武道学科卒業、桜美林大学健康心理学科・人間科学(大学院)教授、桜美林大学スポーツ健康科学センター長、桜美林大学・短期大学部学生部長、日本エコーウォーカソン協会理事・実行副委員長などを歴任。足裏の形状や働きと運動能力や健康状態の関係に注目し、足と健康、身体の障害、スポーツパフォーマンス、スポーツ障害、高齢者の転倒、履物と健康など40年にも渡り研究。
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www.mtg.gr.jp/feedback/
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