- 2020/10
- 研究発表リリース
EOCIS(イオシス)技術を応用した
「放電式オゾン発生システム」を新たに開発
MTG、奈良県立医科大学との共同研究により
新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の不活化を実証
株式会社MTG(本社:愛知県名古屋市、代表取締役社長:松下剛、以下:MTG)は、公立大学法人奈良県立医科大学(微生物感染症学 矢野寿一教授、MBT研究所)及び一般社団法人 MBTコンソーシアム※との共同研究(以下本研究)により、当社が開発したEOCIS技術を応用し、空気から除菌物質を生成する「放電式オゾン発生システム」を新たに開発し、この度、当該システムを用いた研究成果が得られましたことをお知らせいたします。「放電式オゾン発生システム」を新たに開発
MTG、奈良県立医科大学との共同研究により
新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の不活化を実証
本研究は、当社と奈良県立医科大学及びMBTコンソーシアムとの共同研究として、当社が開発したEOCIS(イオシス)技術を応用した「放電式オゾン発生システム」により発生させたオゾンガスにおいて、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)への不活化効果を実証したものです。 本研究は、EOCIS技術を応用搭載した機器を用いて行い、技術の活用範囲の拡大、また発展の可能性を検証することを目的としており、この度、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の不活化というエビデンスを取得するに至りました。
※一般社団法人 MBTコンソーシアム:奈良県立医科大学と連携し、金融機関や民間企業の活力を導入して、医師・医学者と企業との連携を促し、新産業創生・まちづくりを行う一般社団法人
EOCIS技術を応用した「放電式オゾン発生システム」による
新型コロナウイルスの不活性化効果の評価試験
[奈良県立医科大学 微生物感染症学矢野寿一教授]
新型コロナウイルスの不活性化効果の評価試験
[奈良県立医科大学 微生物感染症学
■ 試験品
EOCIS技術を応用した「放電式オゾン発生システム」
■ 試験ウイルス
ウイルス:新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)
■ 試験方法
新型コロナウイルス液20μlをシャーレ上に付着させ、静置、乾燥の後、アクリル試験ボックス(31cm×40cm×54cm)内にシャーレを静置し、EOCIS技術を用いた「放電式オゾン発生装置」より発生したオゾンガスを30分、または60分暴露。(図1)作用時間後にチオ硫酸ナトリウムで反応を停止。
回収液を用いてウイルス感染価(PFU/ml)をプラーク法にて測定。
試験は、湿度47.2%~54.0%、温度20.0℃~22.0℃の環境で、各2回実施。
オゾンガスに暴露させないものをコントロールとして用いた。
図1.アクリル製試験ボックス内でのオゾン暴露によるウイルス不活化試験
本試験は、奈良県立医科大学内の バイオセーフティーレベル3(BSL3)の実験室において、適切な病原体封じ込め措置のもと行った。
■ 試験結果
オゾンを4.75×106PFU/mlの新型コロナウイルスに暴露させると、30分で2.98×105PFU/ml(減少率91.500%)、60分で5.55×104PFU/ml(減少率98.428%)へと染色価が減少した。
表1.オゾンによるウイルス染色価の推移
表2.オゾンによるウイルスの不活化効果
減少率(%)は小数点第4位以下切り捨て
減少率(%)は小数点第4位以下切り捨て
図2.オゾンによるウイルス感染価の推移
■ まとめ
本機器で生成したオゾンガスは、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)を不活化することが判明した。本試験器を無人空間で使用し、オゾンガスの空間噴霧を行うことに より、物質の表面についた新型コロナウイルスによる接触感染防止に有効である可能性が考えられる。※本試験はEOCIS技術を応用した放電式オゾン発生システムの基礎的な研究データであり、実使用環境での効果を示すものではありません。
また、今回得られた知見は、現在、社会的要請度の高い公衆衛生において一定の意義があると考え、今後は、新しい生活様式への貢献として、より期待される飛沫感染や空気感染に対する研究を奈良県立医科大学と継続して続けることで更なる有用な知見を見出したいと考えております。
当社はこれまでWELLNESS & BEAUTY領域において、テクノロジーを活用し、商品開発およびサービスの深化を図ってまいりました。コロナ禍において、マスクや消毒用アルコールといった衛生関連商品へのニーズが高まる中、新たに「衛生(Hygiene)」とテクノロジーの融合を『HYGIENE TECH(ハイジーンテック)』と名付け、同分野に参入することといたしました。
より健やかに、美しく、そして安心、安全に生きられる、豊かな社会の実現に貢献してまいります。
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